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2004年 03月 27日 ( 1 )

2004年 03月 27日
防衛庁・自衛隊、国防省・軍隊へ。
自民党国防改革案 「新たな脅威」現実対応 公明との調整課題

 十日に明らかになった自民党国防部会・防衛政策小委員会の「提言・日本の防衛政策の変革」(案)の原案は、現実的で効果的な「新たな日本の国防」の在り方を示す内容になった。イラク・北朝鮮といった国家がプレーヤーとなる「従来型脅威」と、二〇〇一(平成十三)年の米中枢同時テロなどで顕在化した「非国家主体」による「二十一世紀型脅威」の並存を意識し、現実的な体制の整備が急務との判断が随所に現れている。
 ミサイル防衛(MD)に関連して、スピーディーな対応を訴えたのは、北朝鮮のテポドン発射などを意識したものだ。
(1)防衛庁長官への対処権限委任にからむ法整備
(2)衛星情報の提供など米軍との協力関係や国民への情報通知を含め具体的な対応手順の早急な整備
-を提言した。
 これに関連し、組織面で、現場サイドの意見を尊重するため、内部部局の運用局廃止を視野に、作戦などは、制服組で構成する新たな統合幕僚会議が一元的に対応するよう提言した。
 大規模テロなどへの対応としては、国民保護法制とのからみで、地方関連政策立案機能強化も訴えている。
 「国家・非国家による脅威」「国際協調」などをキーワードに、二十一世紀型国防の見取り図を示した提言だが、内容が具体的なだけに、個別問題で根強い抵抗も予想される。与党の公明党はもちろん、野党の現実路線を採る勢力との連携が求められる。

      ◇

【提言原案の要旨】

一、はじめに

二、二十一世紀の安全保障環境

三、具体的な提言
 1、憲法九条の改正 憲法九条を改正し、自衛隊を軍隊と位置づけ、国際平和維持などを目的にする行動に参加することを明記

 2、集団的自衛権の行使 集団的自衛権行使を可能としなければならない状況

 3、防衛庁の「省」移行

 4、「国防基本法」(仮称)制定 自衛隊の軍隊としての位置づけや集団的自衛権の行使などを含む国防戦略の基本的方針となるよう議論を推進

 5、国家としての危機管理体制の充実

  (1)内閣総理大臣の機能強化

  (2)内閣官房の強化

 6、国民保護法制など有事関連法制の整備

 7、国際協力に関する一般法(国際協力基本法)の制定 新たに一般法を策定し、速やかに派遣する態勢を整備

 8、自衛隊法の抜本的見直し 国際協力に関連する自衛隊の活動は、本来任務として対応できるよう自衛隊法を改正

 9、新たな防衛計画の大綱

  (1)防衛力の役割と変革

  (2)防衛構想の見直し 現在の大綱にある「基盤的防衛構想」は変更。本格侵攻対処に加え、大量破壊兵器、テロなど新たな脅威に対応する必要な防衛力の整備

  (3)新たな体制の確立
    (1)自衛隊の統合運用の推進
    (2)陸・海・空自衛隊の新体制
    (3)弾道ミサイル防衛システムの着実な整備
      弾道ミサイルは発射からごく短時間で到着するので意思決定の時間が極めて短く内閣レベルの対応が極めて困難。
      領空侵犯のように権限を防衛庁長官へ委任する法的措置を早急に検討

 10、日米安保体制の強化

 11、防衛庁長官補佐機能強化のための組織改編(防衛二法「防衛庁設置法、自衛隊法」の改正)

 12、情報収集、情報共有及び秘密保全の強化 スパイ防止法など秘密保全の強化。情報収集衛星は「利用は広く認める」方向で整理。国会の「宇宙の平和利用決議」に代わる新決議発出の検討

 13、防衛産業・技術基盤の維持と武器輸出三原則

  (1)防衛産業をめぐる状況変化への対応

  (2)輸出管理政策の見直しの必要性

  (3)新しい武器輸出管理原則
    国連決議でテロ支援国、人権侵害国、武器輸出禁止とされた国、貿易管理体制不十分の国へ輸出しない

 14、在日米軍基地への対応

 15、軍事組織の構成員たる自衛官の地位の明確化 国際基準に合わせた階級呼称などへの変更

 16、国民と自衛官の相互交流促進と防衛意識の啓発

 四、おわりに


某S氏はこの提案を非常に好意的に受け止めています。
今まではこんなことを-たとえ小声であれ-言い出せば「軍国主義の復活!」「反動右翼!」「いつか来た道を逆行するのか!」などと言われた時代もあったのです。
特に以下の点については特に評価しています。


>・憲法九条の改正 憲法九条を改正し、自衛隊を軍隊と位置づけ、国際平和維持などを目的にする行動に参加することを明記

これは自衛隊の一番のネックであった「自衛隊=JapaneseSelfDefenseForce」と言う矛盾を半世紀ぶりに解消する事になります。


>・防衛庁の「省」移行

防衛庁が「防衛省」あるいは「国防省」に変わると何が変わるのか?
余り知られていないことですが、防衛庁は国家公安委員会(警察庁)や金融庁とともに「内閣府設置法」と言う法律で内閣府の外局、つまり内閣府の一部に位置付けられ、外務、法務など計十省が、国家行政組織法で国の行政機関と規定されています。
「防衛庁」は内閣府の外局であるため、防衛庁長官は、内閣府の長である首相を通じてしか、法案や局長など幹部人事を閣議にかけることができません、また概算要求(次年度の予算請求)の取りまとめも内閣府を通じて行っています。
これば「国防省」になれば、これらが「国防相」直接の権限の範囲で実施できるわけで、自衛隊の運用に関しても周辺事態法に基づく米軍への後方地域支援の実施権限などが首相から「国防相」移行する。
つまり、簡単に言えば「国防省」になれば防衛庁が内閣府というお母さんから独り立ちできるというわけです。


>・情報収集、情報共有及び秘密保全の強化 スパイ防止法など秘密保全の強化。情報収集衛星は「利用は広く認める」方向で整理。国会の「宇宙の平和利用決議」に代わる新決議発出の検討

これは以前書いたことがあるので省略。


>・防衛産業をめぐる状況変化への対応

実は防衛産業というのは儲かりません、企業側の政治とのつきあいがあるのでやっているという面があります。
これは考えれば当たり前のことで、防衛産業の納入先は自衛隊(一部は警察にも)しかありません。
買い手が一定であれば、売り手は儲からないのは自明の理です。
国が介入し、思い切って統合・再編するか、個人的には防衛産業を国が買い取って「国営」にするのも手であると思います。


>・軍事組織の構成員たる自衛官の地位の明確化 国際基準に合わせた階級呼称などへの変更

今まで自衛官は特別職国家公務員、つまり「上司の業務命令には絶対従う国家公務員」と言う位置づけでしかなかった。
自衛隊が「軍隊」になるのであれば、勿論「自衛官は軍人」である。これは当然の措置であろう。
そうすれば、国際標準に則った呼称にする方が望ましい。
それができないのであれば、少なくとも自衛隊最高位である統幕議長(統合幕僚会議議長)は米軍の元帥か統合参謀本部議長に、各幕僚長を大将に、将は中将に、将補は少将に相当させるべきであろう。
それと同時に、統幕議長は親任官に、各幕僚長は(できれば将・将補も)勅任官にし文官(軍事以外の行政事務を取り扱う官吏)のみならず武官(軍事に携わる官吏)にも「名誉」を与えるべきである。

 ・親任官(しんにんかん)
  天皇陛下の親署および御璽をもって辞令を交付された官、親任式をもって叙任される。
  内閣総理大臣・各省大臣・陸海軍大将など。

 ・勅任官(ちょくにんかん)
  天皇陛下の命令、勅命により叙任される官吏。高等官の一・二等。

この二つの違いというのは
「親任官」というのは天皇陛下が親任式をもって直接任命し「勅任官」というのは「天皇陛下の命令(勅命)」によって任命すると言うこと。
かつては、大臣、枢密院議長、陸海軍大将そして特命全権大使などが親任官、つまり天皇が親任式において叙任することとされてきた。
戦後、勅任官の制度は廃止されたが、憲法は「天皇の国事行為」として
「国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること」
と定めており、国事行為として事実上生き残ったことになる。
総理大臣や各省の大臣、外務省の大使や公使にはいわゆる「御名御璽」の入った信任状が親任式で陛下自ら下賜なさる。
何て事はない、統幕議長と各幕僚長を「法律の定めるその他の官吏」にしてしまえばよいのだ。
国防大臣が国防省文官の長であれば統幕議長は国防軍武官の長であるからだ。
その上で、統幕議長は国防大臣を補佐すると規定すれば何ら問題ないはずである。
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by bosc_1945 | 2004-03-27 00:00 | 国防・安保問題