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2005年 03月 16日
【国境警備】 自衛隊と先島諸島 【前進配置】
沖縄・先島諸島に陸自部隊配置=中国にらみ前方展開-防衛庁検討 3月15日21時2分 (時事通信)
 防衛庁が陸上自衛隊の普通科(歩兵)部隊を沖縄県先島諸島の石垣島か宮古島に配置することを検討していることが15日、分かった。中国を念頭に置いた南西諸島の防衛が目的。次期中期防衛力整備計画(中期防、2005~09年度)の期間中に予定される第1混成団(司令部・那覇市)の旅団格上げに合わせたい考えだ。
■おお、ついに普通科を先島諸島に前進配備ですか。
恐らく西部方面普通科連隊(三個中隊基幹)もしくは対馬警備隊(二個中隊基幹)の様な離島の防衛警備及び離島災害派遣に特化された部隊が配備されるのではないでしょうか。

自民党宇野治議員によれば

>陸自対馬警備隊を視察。ブリーフィングでは隊員の半分以上が対馬出身者であり若者の就職先として大きなものであり,市長からは増員拡大を要望されている事を聞き部会としても対応を考えねばとの声も上がった。
自衛隊部隊視察 2004.09.21

と隊員の半数がジモティー(地元民)であるというのは貼り付け部隊の対ゲリラ戦では非常に有効ですね。
また、何の本で読んだか忘れましたが災害に際して「我が家で死ぬ!」と言い張るお年寄りを地元の消防団員が一人一人説得して回って全員避難させたという話を読んだことがありますが、赤の他人よりはどこどこの誰々も息子、孫の方が-特にまだ村社会の影響力の強い先島諸島では-有効かもしれません。

で、石垣島と宮古島どっち?といわれれば既に空自南西航空警戒管制隊第53警戒群の防空レーダーがある宮古島の方が確率が高いと思います。
特にこの頃注目されている下地島のすぐ隣という利点と宮古島から下地島に隣接する伊良部島まで「伊良部架橋」を建設することも決まっているそうで、2005年着工・8~10年後に開通見込みだそうな。
ちなみに伊良部=下地島の電力は宮古島の火力発電所から海底ケーブルで供給されているそうで、以前通信用の海底ケーブルが何者かによって切断されるという事件がありましたが、下地島に基地を設営する際はこの点はどうにかした方がいいと思います。

さて、その下地島では
自衛隊誘致で緊急動議 伊良部町議会が可決の見通し 3月16日10時36分 (琉球新報)
 下地島空港については「軍事利用しない」とする琉球政府と日本政府との間の「屋良覚書」があり、軍への反感が濃い県民感情もあり、可決されれば新たな基地問題として大きな波紋を呼びそうだ。
 推進派議員らは、自衛隊誘致が現実化することで経済効果がもたらされ、財政が潤うとの考え。そのため同町を含む宮古5市町村が推進している合併の動きにも影響を与え、合併賛成から離脱に傾く議員も出てきそうだ。18日に5市町村の各議会で行われる合併決議への影響が懸念される状況となってきた。
 町議会の動きに対し、下地島空港施設労働組合など3団体は14日、浜川健町長と町議会に誘致反対の要請文を提出。町内に立て看板を設置するなど反対運動を開始した。浜川町長は「信ぴょう性のない話。事実だとしても宮古は市町村合併を控えており、新市で検討すればいいと思う」などと述べている。
 伊良部町では2001年、町当局が提案した自衛隊機訓練誘致決議案を町議会が全会一致で可決し、町当局は要請活動を展開した。だが反対論が急速に強まり、03年には町当局も誘致を断念、市町村合併が浮上するなどしたため、いったんは沈静化していた。

<ニュース用語>屋良覚書(確認書)
 1971年、下地島飛行場(空港)について琉球政府の屋良朝苗行政主席と丹羽喬四郎運輸相との間で交わされた文書。(1)下地島飛行場は琉球政府が所有・管理し、使用方法は管理者である琉球政府(復帰後は県)が決定する(2)運輸省として、航空訓練と民間航空以外に使用する目的はなく、これ以外の目的に使用させることを琉球政府に命令する法令上の根拠を持たない。
■と、こう言うことがあったそうで。
念願のF-2配備にまた一歩近づきましたねw

しかし、以前の日記でもお伝えしたように国境の島・与那国島・下地島と石垣島・宮古島では国防に対するものすごい温度差があります。

>宮古市町村会会長の伊志嶺亮平良市長は「最近の防衛庁は、われわれが守ってきた平和憲法の理念に逆行する考え方を持っており、今回のことも危険な兆候だと思う」と指摘。「アジアの国々と平和に共存できる関係をつくるべきで、仮想敵国を想定した政策を展開するのはおかしい。このような動きには断固として反対だ」と語気を強めた。

>与那国町の尾辻吉兼町長は「有事への対応を考えるのは当然のこと。いくら与那国町の人口が少ないからといっても国民なのだから国として国民を守る義務がある。実際にはそのような有事が起こるとは思わないが、転ばぬ先の杖(つえ)として必要なことだと思う」と話した。


ですから、ひねくれ者の私としてはあれほど宮古島をプッシュしたにもかかわらず敢えて与那国島をオススメしますw

空港も石垣空港写真)の滑走路は1500m級で旅客数・貨物量(平成一五年で1,808,091人・10,587t)も年々緩やかな右肩上がりとなっています。
次に宮古空港写真)は2000m級ですがこちらも旅客数・貨物量(平成一五年で1,071,203人・9,953t)は緩やかな右肩上がりか横ばいとなっています。
しかし、与那国空港写真)は現在の所滑走路は1500m級ですが平成13年度より2000m級に滑走路延長事業に着手し平成18年度供用開始予定であり、旅客数・貨物量(79,338人・363t)も石垣・宮古とは比べものにならないぐらい低いわけです。

滑走路は2000m級であればB-767でも離着陸することが可能だそうで無論自衛隊が運用している早期警戒機E-767も離着陸できます。
自衛隊機ではB-747-400を除けば残り全ての航空機が離着陸できます。

1500m級でも戦闘機であれば十分運用できるので与那国島の価値がますます高まるわけですね。
しかも、与那国島では度々自衛隊の配備を国に陳情していますから「渡りに舟」とはこの事です。

その際の問題点としては「台湾と我が国の防空識別圏問題」があげられます。

【国境警備】 与那国島と防空識別圏 【西方シフト】へ続く)

by bosc_1945 | 2005-03-16 00:00 | 国防・安保問題


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